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  • エマ・キム

知らない言語の翻訳を評価するコツとは?


初めまして、ルア・ランゲージサービス言語スペシャリストのエマです。

最近は以前と比べて、複数の言語を含む翻訳プロジェクトを担当させて頂くことが多くなってきました。

通常は日本語から英語の翻訳をメインにやってきた私ですが、こうしたプロジェクト管理は個人的にとても面白く、そして世界のあらゆる国で活躍する優秀な翻訳者とつながって提携してお客様の想いを様々な言語で伝えられるのにもやりがいを感じています。

しかし、このような依頼を頂き始めた頃は、正直それを引き受けてもいいのか、少し戸惑いました。

日本語から英語への翻訳をメインにやってきた私は、その2つの言語の間なら何が良い翻訳なのか何が良くない翻訳なのかを見極めて評価することができ、自分自身が翻訳を行うのも、それを誰かにお願いするのも、抵抗はありません。基本的には、訳文が ① 原文の意味に忠実、② 用語や文脈がきちんと調べられている、③ 表現やライティングスタイル対象言語と翻訳の使用目的に相応しい、④ 読みやすくて自然、そして⑤ それが「翻訳に見えない」なら、私はその翻訳が質の高いものだと評価しています。これもまた、目をとおしただけで、割とすぐに判断できます。

ただ、このように評価するのは、その翻訳が読めて初めてできるのです。(当たり前に聞こえますが)

それが英語だからこそ、読んで、原稿と比較し、ライティングスタイルや表現を見て、それらが原文には忠実で対象言語には自然かどうかを判断することができます。なので、その対象言語が中国語、韓国語、スペイン語、ポルトガル語だったら、私は果たして、翻訳者に代わってその翻訳の品質をお客様に保証できるだろうか?と心配になった時期がありました。

結局、いろいろと調べて学んで、様々な言語のネイティブスピーカーの友だちを増やして(笑)、今はそういった言語のプロジェクトが入ってきたときの対応と、品質を保証するためのプロセスができ、その不安を乗り越えて自信をもって複数の言語の翻訳依頼を引き受けさせて頂いておりますが、それまでのプロセスの中で私が学んだ「知らない言語の翻訳を評価するコツ」を皆さまにも分かち合いたいと思います。

なぜそれが分かち合いたいかというと、翻訳サービスを実際にご利用になっている方の大半は、その言語を知らない、もしくは少し知識があったとしてその言語の文章の品質を評価するまでの言語力をもっていないからです。言語的な必要があって翻訳を依頼する訳ですよね。でもその一方、依頼した翻訳が完成して返ってきても、自分が購入した「商品」(翻訳)の品質がどんなものか、評価するのが難しい訳です。当たり前なことではあるが、よく考えてみると、他の商品やサービスと比べるとちょっと変わっていますよね。この現状もあって、翻訳の品質を確保するのが難しいのではないかと、個人的に感じております。

さて、皆さまにとって参考になればという気持ちで、自分の読めない言語を担当し始めて私が学んだ「知らない言語の翻訳を評価するコツ」をシェアしたいと思います。

1) 翻訳者について知る

当たり前に聞こえますね。会社で誰かを雇うとき、その人の履歴書や職務経験を提出してもらわない人はいないと思います。でも翻訳業界においては、翻訳を依頼する前に翻訳者のバックグラウンドを調べるのは以外と珍しいことだと思います。ほとんどの翻訳は大規模な翻訳会社が受けて、ある会社には何千人もの翻訳者が登録していて、プロジェクトの予算や納期、そして会社の様々な都合によってプロジェクトに関わる翻訳者や校正者がコロコロと変わりますし、文字数が多く納期が短いプロジェクトなら複数の翻訳者がひとつのプロジェクトに関わることも多いため、お客様の方でどのような人が翻訳をしているか知ることが更に難しくなります。こういう場合は翻訳会社の評判に信頼をおくしかないかも知れませんが、それがゆすされる状況でしたら納期に余裕をもち、誰が翻訳を行う予定なのか、その会社の登録基準が何なのかなど、翻訳者の実務経験やレベルについて聞いてみても良いと思います。一方、個人や小規模の会社に翻訳を頼む場合は、規模が小さいため、翻訳者と直接連絡がとれる場合もあり、翻訳者について詳しく知ることは比較的に簡単です。HP上のプロフィールを読んだり、必要に応じては履歴書や実務経験、翻訳サンプルなどを送ってもらうことも可能でしょう。ヒント:日本では翻訳の資格が数多くありますが、資格をとったところで高い品質の翻訳ができると限らないため、実務経験や実績(サンプルなど)を重視することをお勧めします。

2) 対象言語のネイティブに目をとおしてもらう

これは翻訳のレベルを評価する最も良い方法ですが、もっとも難しい方法とも言えるでしょう。それは、翻訳をアウトソーシングしているのであれば、その言語のネイティブスピーカーが周りにいない可能性が高いからですね。ここではネットワークを活かし、友人に聞いたり、ソーシャルメディアで聞いてみたりして、日本語+なになに語が話せる人がいないか、一度探してみることをお勧めします。日本語もしっかり理解できるネイティブスピーカーでしたら原文と訳文を比較して評価するのは、よっぽど専門的な文章でない限りそんなに難しいことではありません。ヒント:チェックをお願いした方に、翻訳の使用目的を伝えて、始めの方にあった5つのポイントを意識して評価してくれるようにお願いすることをお勧めします。

もし周りにネイティブスピーカーが見つからなかった場合や翻訳の文章が非常に専門的な場合、多くの翻訳会社(RUAHも含めて)は「ネイティブチェック」というサービスを提供しています。長期的に使える翻訳機関をお探しでしたら、もしくは品質が非常に重要なプロジェクトでしたら、一度このようなサービスを利用することで、今後安心して翻訳を任せられるでしょう。

でも、せっかくやってもらった翻訳があまり良くなかったとの結果が反ってきた場合はどうすればいいでしょうか?このような経験をされた企業さまを、私たちはたくさん見て参りました。このような方々のために、ホームページの英文リライトお試しプランや、通常の英文リライトサービスをご用意しました。通常の翻訳料金の半分くらいで、既存の翻訳を優秀なネイティブ翻訳者がチェックして、お客様のご希望のスキルや翻訳の使用目的に合わせて、自然な文章に書き換えるサービスです。困ったときは、ぜひお試しください。

3) その翻訳の料金と納期を思い出してみる。

最後になりますが、翻訳の料金を考える必要もあるではないかと思います。最近翻訳業界では、本来は「サービス」なはずの翻訳が、段々と「消耗品」として扱われるようになり、その影響もあり一般的な単価も下がっている傾向にあります。しかし、「安く」「早く」が優先される一方、当然品質が下がることもあります。いくら優秀な翻訳者でも、安い単価ですぐに結果を要求されたら、品質が下がってしまうことは当然です。一般的には、一日(8時間)にプロの翻訳者にとって翻訳可能なワード数は、多くて2000ワード(2500文字)くらいだと考えられています(もちろん個人差はありますし、翻訳の内容にもよりますが)。また、良い翻訳を仕上げるためには言語力の他にその分野に関する専門知識、調査力、そしてライティングやプルーフリーディングのスキルも必要ですので、翻訳料金にはその専門性が反映されるはずです。

そのため、翻訳の質を想定するために、料金や納期も大切な要素になります。依頼した翻訳の料金が安く、納期が短かった場合、それらの条件が翻訳の質に影響をしている可能性があります。次に翻訳を依頼する必要がでてきたときは、理想的な品質を確保するために、フェアな料金と余裕のある納期を意識するのも良いと思います。

さて、長くなりましたが、いかがでしたか。翻訳を「買う」とき、ベーカリーでパンを買ったり、洋服屋さんでスーツを買ったりするのと大きく違って、自分の目で見て品質が判断できない「商品」が戻ってくることがほとんどです。でも、その翻訳の質は、皆さまの会社やご活動に大きな影響を及ぼし、あるときは今後の成功がその翻訳にかかっていることもあります。是非、次に翻訳を依頼することになったとき、これらのポイントを意識して、「世界に通用する」品質を目指してください。品質を意識して大切にすることで、日本の翻訳の全体的なレベルアップにまでつながるかも知れません!

それでは皆さま、自分が読めない言語の翻訳プロジェクトを任された経験はありますか?それにどのように対応し、その翻訳の品質はどのようにして評価できましたか?


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